日本のエンジニアよ良い物を作るな、広く使われる物を作れ
サービスが便利である事と広く使われる事にはそんなに強い相関は無い。はてブは俺のような人には便利だが広く一般に使われてないしそもそも外国では全く見向きもされない。便利さと普及はちゃんと分けて考えよう / “ガッカリな会社のサービスを…” http://t.co/smTJLHjzSl
— Xevra Lindich (@xev_ra) 2015, 5月 21
日本人がシリコンバレーの連中に比べて全然ダメだと感じるのはマーケットセンス。「良い物を作れば広く使われる」という妄想に憑りつかれている連中だらけでウンザリする。広く使われる事に重要なのは
・簡単で分かりやすい
・使っていて気持ちがいい
・他の人に紹介しやすい
など、機能面というよりは心理学的な要因が大きい。だからサービスを設計する時は機能に固執せずにどうやったら広く使われるか、マーケティング戦略を含めて設計をする事が極めて重要なのだ。
そう言う背景を考えた上でこういうケースを考えよう
1.外国でマイナスドライバーが発明されて使われだす
2.ある会社が日本で真似してマイナスドライバーを開発する
3.その会社が日本のマニアに合わせて機能を拡張し、優秀な精密ドライバーに進化させる
4.外国でプラスドライバーが発明される
5.外国でマイナスドライバーが廃れる
6.日本でもプラスドライバーが広く使われだすがマニアはまだマイナスドライバーを使っている
と言う状況を考えてみよう。
この日本の会社は必死になってマイナスドライバーを改良し、それを誇ってるのかも知れないが、その成果は日本のマニアにしか通用しない最悪なガラパゴス状態だ。なぜマイナスドライバーの改良ばかりに目が行ってしまっていたのだろうか。
で、この会社こそ「はてな」だし、このマイナスドライバーは「はてなブックマーク」に相当すると言えるだろう。
はてながマイナスドライバーに固執している間に、facebook、twitter、LINE、instagramなどがどんどん世界で広く使われだして今や一般人や海外にはてブが広まる余地などない。
俺は便利にはてブを使うが、この状況は極めて残念としか言いようがない。
なぜ、こんな事態になってしまったかと言えば、はてなの経営陣が「良い物を作れば広く使われる」という妄想に憑りつかれていたからだろう。機能増強ではなく、気楽に広く使われる事を目指さなかったからだ。
私は8年前にはてなにある提案のメールを送った。だが8年経ってもまだ返事は来ない。
民間企業なんだから好きに経営すればいいとは思うが、期待していた一ユーザーからしたらすごい残念としか言いようがないと思う。
はてなにはこれからも頑張って欲しいとは思うが何を期待したらいいのか俺にはわからない。
補足:
ここでは「はてな」を例に出しただけで別にはてなの事を言いたい訳ではない。日本のIT企業が総崩れな訳だからどこの会社でも当てはまるだろう。
ポイントなのはサービス設計時には
便利よりも心に刺さる物
を、考えて欲しい。機能強化よりも気持ち良さ、分かりやすさ優先で考えて欲しい。
それから、はてなに対するメールは一般的なビジネスメールで、はてな以外にもあちこち沢山出している。でも返事が来ないのははてなだけだったというだけ。
また、当然うちの会社でもオリジナルなサービスはリリースしていて海外でも一定の成果を上げている。とは言えまだブレイクしたという規模ではないので引き続き頑張りたい。