安保法案を正しく理解するたった一つのポイント
安保法案のポイントは「米軍の軍縮に伴う負担を日本の自衛隊が担うべきか?」でありそれは「米軍にいつまで守ってもらうのか?」でありそれは「そもそも米軍との同盟はいつまで有効なのか」だ。それをちゃんと書けよ / “安全保障関連法案の強行…” http://t.co/yWllqjvJJl
— Xevra Lindich (@xev_ra) 2015, 9月 19
安保法案で日本中が揉めているが、どうもポイントを外した議論が多くてウンザリする。
安保法案のポイントは
この1点に集約される。
なぜなら、「集団的自衛権で組む相手って誰?」 と言えば米軍しかない。「なんで今なの?」と言えば安倍がこの春に米議会で公然と約束しちゃったから。
米軍は今、強烈な軍縮を余儀なくされている。現状の勢力を保つには同盟国の負担が不可欠だ。アジアでは「日本が負担しろ」という事になっている。で、これをできるようにするには改憲が不可欠だがどうやってもうまく行きそうにないので安保法案を強行採決したという話だ。
で、多くの人達は「米軍に恩を売らないと守ってもらえなくなる!」という条件反射で自衛隊を差し出そうとしている訳だ。
だが、ちょっと待って欲しい。自衛隊を差し出せば米軍は日本を未来永劫守り続けてくれるのか? ちょっと前に熱狂的な支持が報じられた米国の次期大統領候補のトランプ氏はこの記事にあるように
「中国やメキシコ、日本に対しては強硬姿勢で臨む」って、明言してるんだよね。米国市民は「日本と中国に不満を持っている」訳だ。
中国が日本を攻めたら守るかって? 米国民の命を懸けてなんで日本を守るの? 形だけ守る振りならOK、丁度いいからお互い消耗させておけ。
これが米国民の一般的な発想だろう。そもそも
米国の貿易相手国としては輸入も輸出も中国の方が日本より多い
つまり、揉めて困るのは日本とではなく中国なのだ。経済的には中国の方が圧倒的に大切なのだ。
これらの現実を踏まえて再度考えよう。今後も米国に守り続けてもらうという戦略が果たしてどれだけ意味があるのかだ。
同盟関係を組む場合、原則的には下記のような点を考える。
- 経済的に関係が深い
- 地理的に組みやすい
- 経済力が大きい
- 軍事力が強い
確かに今までは1,3,4の条件は圧倒的に米国が優っていた。だが、現状はどうだろうか? 今の日本の最大の貿易相手国は中国だから1,2は明らかにもう中国に移行した。3,4もこれから10年を考えたら中国に移行していくだろう。
つまり、同盟相手を考える4要件全てが今後10年で米国から中国へ移行する。
今後を考えたら同盟を組むべき相手は中国が最適解
合理的にはこれしか考えようがない。
これに対する問題点を考えると
辺りが上げられるだろう。
チベットやウイグルを見ると確かにヤバいし問題のある国だと思う。確かに危険だ。では米国は危険じゃないのか? と言うと、大量破壊兵器が有ると難癖をつけてイラクを滅ぼした前例を見ると米国も同様に危険な国である事が分かる。危険じゃない国などどこにもないのだ。リスクを理解し、しっかりと慎重に組んで生き残るしかない。
反日感情のある国とは組めない
中国人は基本的に親日だ。裕福であればあるほど親日だ。それは爆買いに大挙して押しかけてくる彼らを見てればよく分かる。彼らは日本が大好きなのだ。政治的に反日を使っているだけだからそれは同盟を組んで改善を要求すべき事項だ。
日本人は中国人を下に見てるからプライドが許さない
一番厄介なのがこれだろう。結局日本人はプライドが高くて中国を受け入れたくないのだ。だが、実利よりもプライドを優先する戦略が正しいはずなどない。これは日本人の考え方を改めるべきだ。そもそももう日本経済は中国なしには成り立たないレベルにまで陥ってる現状をちゃんと見つめるべきだ。
遠くない将来、米国の影響力低下が進み、世界中で国際関係の組み直しが進むだろう。その時になって慌てて「米軍が守ってくれるんじゃなかったのか!?」と喚く事の無いように今のうちから日中関係の改善と同盟の準備をしっかりと進めておくべきだ。
個人的には日独中三国同盟を組みたい。この3国が組めば世界最大の連合国が出来上がる。第二次世界大戦後ずっと日陰者だった日本が表舞台に立つにはこの同盟以外考えにくい。政治家は日本が表舞台に立てるビジョンをしっかりと示し、現実化を進めるべき。戦後70年、いつまで従米反中を叫び続けるのか。現実をちゃんと見据えよう。